
2010 08
21
一般的にカリフォルニアワインは高額であっても熟成しない、と言われる。これまでの自分自身の経験を振り返っても、この一見侮辱とも取れる見解を認めざるを得ない。しかしながら、どの分野であっても例外は必ずあり、ワインに関してもそれは例外ではない。
このBeaulieu "Georges de Latour Private Reserve"がその顕著な例と言えるだろう。
このワインと初めて出会ったのは、私がまだナパヴァレーのAuberge du Soleilというレストランで働いていた時だった。
午後2時に出勤すると、いつものようにバックサイドの棚にワインが入ったグラスがいくつも並べてあった。その棚にはゲストが飲み残したワインのオリなどをグラスに移し並べるのが慣例となっており、スタッフのブラインドテイスティング力を高める絶好の場であった。
おもむろに一つ一つテイスティングすると、その中で、即座にボルドーの2級もしくは1級ではないか、と思える程多様な風味がありその奥深さに引き込まれるようなワインがあった。ところが、それがこのナパ産のワインであると知らされ非常に驚いた事を鮮明に覚えている。そして、この時初めて、ヘッドソムリエのクリスから"Bridge Wine"(ブリッジワイン)という言葉を学んだ。
オルタシアのワインリストを作る過程において、古いヴィンテージのカリフォルニアワインを探していた。どうしても、例外的に綺麗に熟成するカリフォルニアワインがある事を証明したかったからだ。そして、偶然にも、4年前に驚かされたこのナパのワインを探す事ができた。しかもその時のヴィンテージと全く同じ1990年!
今夜、やっとこのワインを開けられる機会に恵まれた。あれから4年以上経っている。このワインをオーダーなさったお客様には当時の思い出話と共にブリッジワインの概念も伝えている。このお客様は完全なフランスワイン好きでありカリフォルニアワインに興味はない。興奮気味に話す私の説明にやや疑わしい様子であったが結局このワインをオーダーしてくれた。フランスワイン以外に興味はないようだが、ギャンブルは決して嫌いではないようだ。
期待が責任に変わりそれが不安へと発展し・・・、いよいよ抜栓!
葉巻や枯葉などの長い時間をかけた熟成による奥深いブーケに、オリエンタルスパイスの香りが加わり複雑さが助長され、且つその中心にはまだ熟したカシスやブラックベリーの果実味が残る。クラシックなボルドーが長期熟成した味わいそのものだ。時間とともにその香りはいくつもの層となり増幅しかつ口中では厚みを増す。お客様の表情も同様に多様化し疑わしさから大満足の笑顔へと変わっていった!
自信を持って三つ橋!3 Bridge Wine!
フランスワイン好きが求める事は、圧倒させる程のパワーではない。逆に、心を落ち着かせるような奥深さだ。そして、その深さを出させるにはどうしても時間の助けを借りなくてはならない。一般的にカリフォルニアワインは熟成させたとしてもその様な奥深さは出てこない。だから、フランスワイン好きはカリフォルニアワインから遠ざかってしまう。
しかし、例外は必ずあるものだ。どの分野でも誰でも例外がある事は頭では認められる。ただ、実体験しなければなかなか心から信じられるものではない。
今日新たに4名もの方々が共感してくれた。私がナパで受けた4年前のあの感動を、グラスを片手にうなずきながら分かち合って頂けた。
"新たな発見だった!"何度も繰り返し仰って頂けた言葉だ。
決して安いワインではない。ギャンブルするには高価すぎる。ただ、凝り固まった固定概念を取り除き新たな扉を開き楽しさの枠を広げ人生をより豊かにさせてくれるなら十分に投資する価値はある気がする。
補足 熟成するから素晴らしいワインとは言えない。熟成しなくても素晴らしいワインは数多くある。トップレベルのカリフォルニアワインが良い例だ。素晴らしいワインとは、"他の土地では出せない個性を高いクオリティと共に呈したワイン"であり、フランスワインはその個性を出すのに"たまたま熟成させる時間が必要"なだけである。
そして、多くのカリフォルニアワインは"運よく"その必要がない。
2010 08
20
こんにちわ。
chef の古賀です。
今日は8月3日から開始させて頂いたランチについてお話したいと思います。
ランチは一日の食の中でもどちらかというと、なんとなくというか、
時間の流れの中でとりあえず食べているという方が多いように思っています。
どういうことかというと、会社に出社してランチの時間になり、
誘われるがままに食べに行き、仕事の延長のような会話と、
流れでとりあえずなんか食べて、またそのまま仕事をするというイメージがあります。
僕はその時間を時には仕事のことや、あおられる様に過ごしている日常の慌ただしさを
忘れられるようなランチを過ごして貰えないかと思い、
オルタシアのランチスタイルを思いつきました。
席につきメニューを見て頂き、それまでの会話が嘘かのように途切れ・・・
自分の好きなものを、その日の気分、体調、おなかのすき具合により
前菜8品、メイン8品、デザート8品、計24皿の品目からお好きな4皿を選び合う。
皆で、『 俺はこれとこれが気になる。私はこのお皿とこれ 』など、様々な意見を
言い合いながらオーダーをして、各々の選んだお皿がテーブルに運ばれてまた
『 そっちの皿の方がいい、いや自分の方が! 』などなどと、
日常の事など忘れて、オルタシアの空間で料理や各々の皿の話に花を咲かせて、
何より素敵な笑顔で談笑しながらまた次の皿へとすすみ、
最後には『今度来たらあれ食べよう。次はこんなオーダーの頼み方をしてみよう』
なんて盛り上がって頂けたら僕たちにとってこんな幸せな事はありません。
勿論、プラス料金もありませんし、ランチだからこのぐらいで・・というお皿は
一皿もご用意しておりません。
お客様にとってちょっとしたご褒美であり、また日常でもあってほしい。
このランチがまた午後からの活力になればと願っております。
是非、気兼ねなく我儘にお好みの4品を選んで楽しんでください。
『本当なの?』とお思いの方は、メインディッシュ4品でも、デザート4品でも、
ちょっとした暴挙に出て下さい(笑)。
どんな形でもご対応出来るように、スタッフ一同 万全の態勢で
お待ち申しあげております!!
2010 08
09
このTORという素晴らしいカリフォルニアワインに深く謝罪しなければなりません。完全に誤解していました・・・。しかも、実際にどういうワインなのかを知ろうともせずに・・・。
最初に、このTORというワインの事を聞いた時、私は自動的に、"どうせまた同じ味のテクニカルなモダンなスタイルのナパのカベルネだろう"、と決めつけてしまい、次の瞬間には即座にそのワインに対し興味を一切無くしていました。(この頃、大量に出てきたカリフォルニアの高額カベルネを立て続けにテイスティングしており、個性がなく同じ味わいばかりである事に幻滅していた時期でもありました。しかし、これは言い訳にもなりません・・・。)
完全に私の間違いです。また、このワインを偶然テイスティングする機会に恵まれる今の今までずっとその様に思い続けていた事を心から後悔しております。
このワインの素晴らしさは、そのクオリティの高さだけでなく、非常に個性的であり、ナパの山間のワイン産地であるHowell Mountainでしか出せないその特徴を鮮明に表現しており、他の産地ではあり得ないテロワールの個性を堅持している点にあります。
とは言え、作りは非常に(良い意味で)モダンです。甘く熟したブラックベリーやカシスの果実味がまず最初に感じられます。しかしながら、火山性の土壌に由来する鉄分の香りや黒コショウのスパイシーさなど複雑さが感じられ、かつ力強いタンニンにより強固なバックボーンが形成され熟した果実味を支える役目を果たしています。これはまさに山のアペラシオン、Howell Mountainのテロワールを表現したワインと言えるでしょう。
このワインメーカーは、モダンなテクニックを用いて熟した果実味を十分に抽出するにせよ、いき過ぎる事がなく、様ざまなテクニックを使いたいというワインメーカーとしての自分の欲を制御し"一線"を越えることは避けており、テロワールの個性をそのまま出させる事に尽力していると言えます。その"線"は非常に微妙なラインであるため、多くのワインメーカーは見失ってしまい、結果としてテロワールの味わいではなくワインメーカーの"手"の味しかしないワインを作り出すという結果に陥ります。(上記の言い訳を正当化するつもりはありません・・・。)
日本に帰国して3年。カリフォルニアワインに接する機会はナパにいた頃に比べれば激減している事は事実です。それと比例しその頃のソムリエとして貪欲さを失ってきていたのかもしれません。
しかしながら、このワインは、私がナパでどの様にワインに接していたか、またはソムリエとして大切な事、又は原点ともいえる事を思い出させてくれた気がします。
TASTE, TASTE, TASTE!!!
2010 08
03
みなさん、こんにちわ。RENAです。
8月3日、いよいよランチタイムがスタート致しました!!
古賀シェフとキッチンスタッフがたっぷりじっくり、
手間暇かけてつくりあげている、
前菜8種類! メインディッシュ8種類!! デザート8種類!!!
全24種類のバラエティ豊かなメニューから、
お一人、お一人、お好みの4皿をご自由にお選び頂けます。
その日、その日の気分で・・・
たとえば前菜を2つメインディッシュ1つデザート1つ・・・
甘いものが大好きな方はデザート4つ。
軽めにしたいランチには前菜3つデザート1つ。
メインディッシュ4つでお腹いっぱいに・・・
ご自身でメニューを献立て毎回楽しくお食事して頂けます。
メニューを見たらきっと迷ってしまう・・・
そんな魅力たっぷりのオルタシアのランチを、
是非、沢山の皆さまに味わって頂きたいです!!
お電話お待ちしております!
2010 07
30
こんにちわ。RENAです。
もう既に、ご覧になられた方もいらっしゃるかもしれませんが・・・
CLASSY9月号(41ページ)。
今月の3皿にオルタシアを紹介して頂きました。
関係者の皆さま、とても素敵に掲載して下さって本当にありがとうございます。
シェフの愛情を込めた3皿が鮮明に写しだされています。
是非ご覧ください。
2010 07
29
こんにちわ。RENAです。
今日は久しぶりにどしゃぶりの雨模様でしたね。
実は・・・今週の週刊文春にオルタシアが紹介されました。
54ページ「斬り捨て御免!食味探検隊」のコーナーです。
とっても嬉しい評価を頂いております。
ありがとうございます!
今後も、スタッフ一同 頑張っていきます。
2010 07
22
まさにBridge Wine(ブリッジワイン)というピノノワールを見つけました!
前回のブログでもご紹介しましたが、ワインリストに"Bridge Wine"というカテゴリーを設けました。(詳しくは"Menu"の中のワインリストの最初のページをご覧になって頂けますでしょうか?)
今回ご紹介したいワインは、このBridge Wineのカテゴリーにぴったりはまるワインです!ブラインドテイスティングなら、"ちょっと暑かった年のVolnay"と答えてしまいそうなオレゴンのピノノワールです!
アメリカのワイン産地の中で、オレゴン州はピノノワールの代名詞的な存在であり、オレゴン イコール ピノノワールと言う図式が出来上がっています。
相対的にオレゴンのピノノワールのスタイル的は、カリフォルニアのピノノワールとブルゴーニュの中間的な味わいで、まさにBridge Wineの宝庫と言えます。
このワインはCristom(クリストム)という作り手によるものです。この作り手はオレゴンを代表するワイナリーの一つですが、オレゴンのテロワールに忠実な作り手として知られています。
単一畑のピノノワールを4種類作っていますが、このMarjorie(マージョリー)という畑は最も樹令が古く、1982年に植えられています。
よって、地中深く根を生やし様ざまなミネラルをブドウに与える為、非常に複雑な味わいとなります。
(マニアックの方へ>90年代以降に入手可能になった流行りのDijon Cloneではなく、PommardやWadensvilといった昔からのオレゴンのクローンが主体であることもこの土っぽいブルゴーニュを思わせる風味に寄与していると思います。カリフォルニアのSta. Rita Hillsが濃厚なピノノワールで知られているのは、この地が90年代以降に畑が開拓されその当時大いに期待されていたDijon Cloneがほとんどの畑で採用された事が原因の一つと言えます。ただ、例外的にSanford & Benedictだけはそれ以前からピノノワールを生産しており、Martini Cloneが主体であり、スタイル的にはブルゴーニュを彷彿とさせる土っぽさがあります。)
自信を持って"二つ橋"を与えました!
ブルゴーニュのコートドニュイ地区のワインの様な"動物的な風味"は控えめですが、土に由来するシャンピニオンや湿った土の様な香りが特徴で、ちょうどコートドボーヌのヴォルネイを彷彿とさせます。
是非ブルゴーニュ好きの方々にお試し頂きたいワインです!
昔からワイン好きの中では、一度ブルゴーニュに入ったらもう二度と出れない、と言われますが、たまには冒険もいかがでしょうか?21世紀のワイン好きはそうあるべきだと思います!!
2010 07
17
こんにちわ。RENAです。
すっかり梅雨も明けて眩しい太陽の日差しがたっぷり浴びれる季節になりました。
今日ご紹介したいのは8種類のマイクロ野菜ピクルスです。
これは・・コースのお魚とお肉の間に登場する、言わゆるお口直しです。
マイクロ野菜たちが色鮮やかに小さな列をつくってキュートに並んでいます。
そして最後を飾るのは、 ??? で作ったソルベです。
白いのに口に運ぶと、まさに???の味わいです。
お口の中がさっぱりとして、次に待ちかまえているお肉のメインディッシュを
気持ちよく待ち構える事が出来ます。
まるでお花畑を描くような食べるのがもったいないような気持ちにさせてくれる
小さな一皿です。
是非、???の真相も含め、みなさんにご賞味していただきたいです。
2010 07
13
初めまして、ソムリエの千葉和外です。
こちらでは、当店で扱うワインの情報などをご紹介させて頂きます。
今回は初回ですので、ワインプログラムの簡単な紹介を致します。
フランス料理店と謳ってはおりますが、ワインはカリフォルニアワインが中心です。
これは、日本でカリフォルニアワインが楽しめるレストランと言えば、カジュアルなダイニング系レストランかカリフォルニアワインを贔屓にしているワインバーしか楽しめる場所がなく、しっかりとしたお料理と共にカリフォルニアワインを堪能できるレストランが少ない、という現状に挑戦したい、という思いがまずございます。
また、私自身、カリフォルニアのワイン産地、ナパヴァレーに3年ほど滞在し、地元のレストランAuberge du Soleilに勤務していたこともあり、"本来のカリフォルニアワインのテロワールをナパヴァレーと時差のない形で日本のワイン好きの皆さまに紹介したい、という大きな目標がある事も理由の一つです。
カリフォルニアワインの最も大きな魅力の一つは、その"多様性"にあります。言い換えれば、様ざまなテロワールが存在し、その土地特有の個性豊かなワインが造られております。
残念ながら、日本でカリフォルニアワインと言えば、未だに、"濃厚でジャムみたいなカベルネと樽の香りしかしないシャルドネ"の2種類のみしか認識されていません。悲しい限りです・・・。
今回、ワインリストを作成するにあたり意識した点は、"カリフォルニアワインにもフランスに負けないいろいろなスタイルがある"という事実を表現するという事です。
その第一歩として、"ブリッジワイン(橋架けワイン)"という項目を作ってみました。
これは、アメリカのソムリエ同士で使う言葉ですが、フランスなどの旧世界とアメリカなどの新世界の中間的な味わいのワイン(旧世界と新世界の"橋架け"となるワイン)という意味です。
フランスワインは大好きだけどアメリカワインはどうも甘くて口に合わない、と決めつけてしまった方に是非是非お試し頂きたいワイン達です。
・・・、ワインに関しては話が長くなる悪い癖があります・・・。
長すぎるブログは読んでもらえない、とのキツイ指示を受けていますのでこの辺りで止めておきます・・・・・。
この続きは、少しずつこのブログでアップしたいと思っております。
ちなみに、ボトルワインはアメリカとフランスのみですが、グラスワインは世界中のワインをドンドンご紹介していこうと思ってます!
その詳細は小出しにして下さい、とのキツイ指示が、再度たった今、隣のデスクからありましたので、また次回に致します・・・。
それでは、カリフォルニアワイン共々、どうぞ宜しくお願い致します!
2010 07
07
こんにちわ。hortensiaのRENAです。
最近・・雨でお天気がぐずついていますね・・・。
そんなジメジメした暑さを忘れさせてくれる 冷前菜を今日はご紹介します。
Variete Course 第一の前菜 LOBSTER VARIATIONです。
ピチピチ活きたオマール海老を毎朝キッチンスタッフのINA-chanが
頭と尾っぽを持って・・・グイグイ格闘してくれています・・・。
何とも頼もしい・・・。
そんな格闘の末、オマール海老という一つの素材を
4つの表情に変化をつけて・・・
chef と キッチンのスタッフが心を込めて丁寧に仕上げます・・・。
いつまでも食べていたくなる、濃厚な味わいのロブスタークリーム、
フレッシュのマンゴーがほのかな甘みを運び、
ロブスターカルパッチョがプリプリの歯ごたえを刻みます。
夏野菜に包まれたロブスター とっても涼しげで贅沢な一皿です。
美味しい一皿を毎日届けたい気持ちを込めて、
毎日、厨房の中は蒸し暑さと情熱と熱気でいっぱいです。
次回はそんな熱い厨房の中を少しだけ覗いて・・ご紹介したいと思います。